【結婚準備中にできる「プレ妊活」のススメ②】妊活前に知っておきたい!妊娠しやすい体づくり~男性編~

【結婚準備中にできる「プレ妊活」のススメ②】妊活前に知っておきたい!妊娠しやすい体づくり~男性編~

連載企画【Dr.齊藤と妊活たまごクラブ編集長に聞く!結婚準備中にできる「プレ妊活」のススメ」】。

産婦人科医で不妊治療専門医の齊藤英和先生と『妊活たまごクラブ』編集長の米谷明子さんが、いつか赤ちゃんが欲しいと思っている方向けに、結婚準備中からできる「プレ妊活」についてお話するスペシャル対談です。

第2回は、男性のための「妊娠しやすい体づくり」について。意外と知らない男性の体の仕組みについてお話いただきました!

2019.11.20 更新
Dr.齊藤&米谷
PROFILE
Dr.齊藤&米谷さん

<連載記事>
第1回:【結婚準備中にできる「プレ妊活」のススメ①】妊活前に知っておきたい!妊娠しやすい体づくり~女性編~

「婦人科」に対して「男性科」がないのはどうして?

先生、前回は妊娠するための女性の体のことを伺いました。卵子の老化の事実から考える「妊娠適齢期」のお話や、結婚準備期にできる体づくりのこと。私は、「挙式と生理が重なったら?」というお話がとても面白かったです。そういうことを挙式前に誰に相談したらいいかわからない、知っておけばよかった、という女性も多いのではないでしょうか?

米谷さん:先生、前回は妊娠するための女性の体のことを伺いました。卵子の老化の事実から考える「妊娠適齢期」のお話や、結婚準備期にできる体づくりのこと。私は、「挙式と生理が重なったら?」というお話がとても面白かったです。そういうことを挙式前に誰に相談したらいいかわからない、知っておけばよかった、という女性も多いのではないでしょうか?

そうなんですよね。みなさん結婚準備で忙しいでしょうから、そこまで手が回らないかもしれないけれど、生理で体調が悪くなる人は、婦人科に相談しておいたほうがよいですね。なにせ結婚式は、晴れの舞台ですから!

Dr.齊藤さん:そうなんですよね。みなさん結婚準備で忙しいでしょうから、そこまで手が回らないかもしれないけれど、生理で体調が悪くなる人は、婦人科に相談しておいたほうがよいですね。なにせ結婚式は、晴れの舞台ですから!

そうすると挙式を控えた男性は誰に相談をするのでしょうか? 先生、今日は男性の体について教えてください。<br>そもそも、結婚準備期の男性は、自分が妊娠可能な体かどうか、意識はしているものでしょうか? 女性だけじゃなく男性のブライダルチェックもあってもいいのでは?と思うのですが…。

米谷さん:そうすると挙式を控えた男性は誰に相談をするのでしょうか? 先生、今日は男性の体について教えてください。
そもそも、結婚準備期の男性は、自分が妊娠可能な体かどうか、意識はしているものでしょうか? 女性だけじゃなく男性のブライダルチェックもあってもいいのでは?と思うのですが…。

結婚するときに、男性がそこまで考えているかは、どうでしょうね…? 今でこそ、不妊の原因は男女半々といわれますが、それは最近の話なので。僕が学生のころは、女性のほうが10対1くらいの割合で原因がある、と言われていたものでした。

Dr.齊藤さん:結婚するときに、男性がそこまで考えているかは、どうでしょうね…? 今でこそ、不妊の原因は男女半々といわれますが、それは最近の話なので。僕が学生のころは、女性のほうが10対1くらいの割合で原因がある、と言われていたものでした。

10対1!? それ、子どもができない原因は、ほとんど女性にあると言っていたということですよね。

米谷さん:10対1!? それ、子どもができない原因は、ほとんど女性にあると言っていたということですよね。

昔の話ですけどね。だけどよく調べてみると、不妊症の原因は男女半々くらいということが最近になってようやくわかってきた。そんなバックグラウンドもあるから、男性のブライダルチェックはあまり広がっていない。結婚前に生殖能力を調べる男性向けのブライダルチェックをしているクリニックもあるにはあるんですが。

Dr.齊藤さん:昔の話ですけどね。だけどよく調べてみると、不妊症の原因は男女半々くらいということが最近になってようやくわかってきた。そんなバックグラウンドもあるから、男性のブライダルチェックはあまり広がっていない。結婚前に生殖能力を調べる男性向けのブライダルチェックをしているクリニックもあるにはあるんですが。

女性は、生理のトラブルなどがあれば婦人科に行くこともありますが、男性は、「男性科」なんてありませんね。受けるとすると「泌尿器科」ということになるのでしょうが、「僕、今度結婚するので」と受診するのはハードルが高いですよね。

米谷さん:女性は、生理のトラブルなどがあれば婦人科に行くこともありますが、男性は、「男性科」なんてありませんね。受けるとすると「泌尿器科」ということになるのでしょうが、「僕、今度結婚するので」と受診するのはハードルが高いですよね。

男性で妊娠できるかどうかを調べるとしたら精液検査ですからね。でも、結婚前からそこまでする人は少ないですよ。

Dr.齊藤さん:男性で妊娠できるかどうかを調べるとしたら精液検査ですからね。でも、結婚前からそこまでする人は少ないですよ。

少ないでしょうね。結婚準備中の男性でも、自分の精子がどういう状態かなんて、思い描かないわけですね。

米谷さん:少ないでしょうね。結婚準備中の男性でも、自分の精子がどういう状態かなんて、思い描かないわけですね。

「勃起障害(ED)があったりすれば、「もしかして子どもができにくいんじゃないか」と思うかもしれないけど、通常は、射精できたら精液の中に精子が入っていると思うでしょう。でもなかには、もともと精液の中に精子がいなかったり、数が極端に少なかったり、運動率が低かったりする場合もある。

Dr.齊藤さん:「勃起障害(ED)があったりすれば、「もしかして子どもができにくいんじゃないか」と思うかもしれないけど、通常は、射精できたら精液の中に精子が入っていると思うでしょう。でもなかには、もともと精液の中に精子がいなかったり、数が極端に少なかったり、運動率が低かったりする場合もある。

ふつうにセックスさえできていれば、自分には何も問題はない!と思いますよね。<br>ところで、妊活してなかなか赤ちゃんができなくて、不妊治療クリニックに男性だけが検査に来るというケースはありますか?

米谷さん:ふつうにセックスさえできていれば、自分には何も問題はない!と思いますよね。
ところで、妊活してなかなか赤ちゃんができなくて、不妊治療クリニックに男性だけが検査に来るというケースはありますか?

少ないけど、ありますよ。もしかしたら、パートナーに「私はちゃんと生理があるんだから、あなたのせいじゃないの?」とか言われてのことかもしれないけどね。でもまあ、男性のほうから積極的に不妊治療クリニックを受診するケースは多くはないです。

Dr.齊藤さん:少ないけど、ありますよ。もしかしたら、パートナーに「私はちゃんと生理があるんだから、あなたのせいじゃないの?」とか言われてのことかもしれないけどね。でもまあ、男性のほうから積極的に不妊治療クリニックを受診するケースは多くはないです。

射精するまでの間に、「精子の質」に影響するのはどんなこと?

ところで、意外と知られていない「精子」について、教えてください。精子は作られ始めてから、射精されるまではどのくらい時間がかかるものですか? 女性の場合は、そもそもお母さんのおなかにいるとき、胎児のときに卵子は作られていますが。

米谷さん:ところで、意外と知られていない「精子」について、教えてください。精子は作られ始めてから、射精されるまではどのくらい時間がかかるものですか? 女性の場合は、そもそもお母さんのおなかにいるとき、胎児のときに卵子は作られていますが。

女性の卵子と大きく異なるのは、精子は2つある精巣(睾丸)の中で毎日新しく作られていること。それが射精によって体外に排出されるまで、だいたい3カ月くらいかかります。

Dr.齊藤さん:女性の卵子と大きく異なるのは、精子は2つある精巣(睾丸)の中で毎日新しく作られていること。それが射精によって体外に排出されるまで、だいたい3カ月くらいかかります。

3カ月! その間に精子は体内で何をしているんですか?

米谷さん:3カ月! その間に精子は体内で何をしているんですか?

体内でじっと成長しながら射精を待っています。その間にも、精子はいろいろな影響は受けることになります。放射線や薬、あと発熱の影響も。

Dr.齊藤さん:体内でじっと成長しながら射精を待っています。その間にも、精子はいろいろな影響は受けることになります。放射線や薬、あと発熱の影響も。

その3カ月の間に起こることが、精子の動きが良くないなど、精子の質に影響するんですね。よく、精子には高熱がよくないということは知られていますね。

米谷さん:その3カ月の間に起こることが、精子の動きが良くないなど、精子の質に影響するんですね。よく、精子には高熱がよくないということは知られていますね。

熱の影響は本当です。そもそも男性の体の構造は、精巣(睾丸)が体の外に出ているんですよ、温まりすぎないように。だいたい体幹の温度より2~3度低くなっています。だから、あんまりピッタリしたきついパンツを長時間履いたりすると、温度が高くなってよくないということはあります。

Dr.齊藤さん:熱の影響は本当です。そもそも男性の体の構造は、精巣(睾丸)が体の外に出ているんですよ、温まりすぎないように。だいたい体幹の温度より2~3度低くなっています。だから、あんまりピッタリしたきついパンツを長時間履いたりすると、温度が高くなってよくないということはあります。

猛暑は影響するでしょうか? 熱いお風呂は?

米谷さん:猛暑は影響するでしょうか? 熱いお風呂は?

たとえば仕事で高温の中で仕事をするような場合は、影響するんじゃないかといわれています。長風呂はよくないっていう人もいますね。どの程度影響するのかまではわからないけど、ものすごく高温で長期間でなければそんなには問題ないと思います。

Dr.齊藤さん:たとえば仕事で高温の中で仕事をするような場合は、影響するんじゃないかといわれています。長風呂はよくないっていう人もいますね。どの程度影響するのかまではわからないけど、ものすごく高温で長期間でなければそんなには問題ないと思います。

そうなんですね。あと気になるのは放射線です。

米谷さん:そうなんですね。あと気になるのは放射線です。

放射線は普段の生活の中、自然界の中にもありますね。例えば、高度が高い飛行機なんかは、地上よりもはるかに多い放射線を浴びることになるんです。<br>

Dr.齊藤さん:放射線は普段の生活の中、自然界の中にもありますね。例えば、高度が高い飛行機なんかは、地上よりもはるかに多い放射線を浴びることになるんです。

じゃあ飛行機にしょっちゅう乗っていると…?

米谷さん:じゃあ飛行機にしょっちゅう乗っていると…?

そこまでのデータはないのでわからないけれど、物理的にはかなり浴びているはずです。でも、高度が高いところで飛行機から外には出ないでしょう? 何事も過度に長期間にならないように気を付けるべきですね。

Dr.齊藤さん:そこまでのデータはないのでわからないけれど、物理的にはかなり浴びているはずです。でも、高度が高いところで飛行機から外には出ないでしょう? 何事も過度に長期間にならないように気を付けるべきですね。

ほかに、たとえば飲み物や食べ物などの影響は? お酒がダメな理由はなんですか?

米谷さん:ほかに、たとえば飲み物や食べ物などの影響は? お酒がダメな理由はなんですか?

アルコールが代謝する時に酸化物質が出るので、多量の飲酒は精子に影響します。酸化物質って細胞にダメージを与えるものだから、それが強く出れば精子の質も悪くなるということになる。酸化された古い油を使った揚げ物なども、そればっかり食べたらよくないですね。

Dr.齊藤さん:アルコールが代謝する時に酸化物質が出るので、多量の飲酒は精子に影響します。酸化物質って細胞にダメージを与えるものだから、それが強く出れば精子の質も悪くなるということになる。酸化された古い油を使った揚げ物なども、そればっかり食べたらよくないですね。

ほかにもだめなことで、自転車とかも聞きますが。

米谷さん:ほかにもだめなことで、自転車とかも聞きますが。

それはきついウェアを着ているせいかもしれないですね。摩擦で熱も上がるだろうし。

Dr.齊藤さん:それはきついウェアを着ているせいかもしれないですね。摩擦で熱も上がるだろうし。

精子もけっこう繊細ということですね。

米谷さん:精子もけっこう繊細ということですね。

「精子はためないほうがいい」説は本当だった!

先生、男性の精子はためないほうがいいと聞きますが。

米谷さん:先生、男性の精子はためないほうがいいと聞きますが。

ためておくってことは古い精子が残っているということだから、マスターベーションでも何でも、定期的に出してあげたほうがいいですよ。

Dr.齊藤さん:ためておくってことは古い精子が残っているということだから、マスターベーションでも何でも、定期的に出してあげたほうがいいですよ。

出さなくても、古くなったものは体内に吸収されると聞いたことがありますが…。

米谷さん:出さなくても、古くなったものは体内に吸収されると聞いたことがありますが…。

そうだけど、出てくる時には残っている古いのから押し出されて先に出てくるんですよ。だったら、できて数日くらいのほうがいいですよね?

Dr.齊藤さん:そうだけど、出てくる時には残っている古いのから押し出されて先に出てくるんですよ。だったら、できて数日くらいのほうがいいですよね?

なるほど。妊活には、古いのより新しいほうがいいんですね。

米谷さん:なるほど。妊活には、古いのより新しいほうがいいんですね。

新しいほうが質もよいということになります。妊活を始めたら、排卵日だけセックスして、それまでは禁欲という人もいますが、あまり我慢しすぎてもたまっていた古い精子が先に出てくることになる。でも毎日だと多少精子の数が減るから、1日おきに射精するくらいがいいというデータもあります。

Dr.齊藤さん:新しいほうが質もよいということになります。妊活を始めたら、排卵日だけセックスして、それまでは禁欲という人もいますが、あまり我慢しすぎてもたまっていた古い精子が先に出てくることになる。でも毎日だと多少精子の数が減るから、1日おきに射精するくらいがいいというデータもあります。

なるほど。でも最近、若い人でもセックスレスの人が増えているといいますが。

米谷さん:なるほど。でも最近、若い人でもセックスレスの人が増えているといいますが。

多いでしょうね。セックスはできないけれど、マスターベーションなら射精できる人もいるようです。

Dr.齊藤さん:多いでしょうね。セックスはできないけれど、マスターベーションなら射精できる人もいるようです。

そうなんですね!

米谷さん:そうなんですね!

女性の中では射精できない、勃起できないっていう人。たくさんいますよ。

Dr.齊藤さん:女性の中では射精できない、勃起できないっていう人。たくさんいますよ。

お互いのことが大好きで愛し合って、結婚していてもですか?

米谷さん:お互いのことが大好きで愛し合って、結婚していてもですか?

そう、仲良しの友だちのようなカップルもいますよ。でも結婚の目的は人それぞれでいいと思います。

Dr.齊藤さん:そう、仲良しの友だちのようなカップルもいますよ。でも結婚の目的は人それぞれでいいと思います。

でも、そういうふたりが赤ちゃんを欲しくなった場合、セックスで妊娠はなかなか難しいですね。そうなると、人工授精*1という選択肢も? 

米谷さん:でも、そういうふたりが赤ちゃんを欲しくなった場合、セックスで妊娠はなかなか難しいですね。そうなると、人工授精*1という選択肢も? 

はい。考え方ですが、それも自分たちの選択肢だと思っていいですね。だって容器に精液を採るだけですから。

Dr.齊藤さん:はい。考え方ですが、それも自分たちの選択肢だと思っていいですね。だって容器に精液を採るだけですから。

*1…人工授精=採精した精液を専用の注射器などで排卵期の女性の子宮に注入して授精する方法。

妊活するならリラックスが大切

もし、なかなかセックスができない場合で、妊活を考えたときは、はじめから人工授精や体外受精など、不妊治療という選択肢も考えたほうがよいのでしょうか。

米谷さん:もし、なかなかセックスができない場合で、妊活を考えたときは、はじめから人工授精や体外受精など、不妊治療という選択肢も考えたほうがよいのでしょうか。

もちろんその選択肢もありです。女性とセックスで射精したくても、やっぱりストレスをいっぱい受けていると勃起できない、という問題があります。

Dr.齊藤さん:もちろんその選択肢もありです。女性とセックスで射精したくても、やっぱりストレスをいっぱい受けていると勃起できない、という問題があります。

仕事のし過ぎとか、そういうストレスですか?

米谷さん:仕事のし過ぎとか、そういうストレスですか?

ただでさえ疲れているのに、さらに疲れることをするのはイヤだっていうこともあるようです。そんなつもりはなくても、男性は女性からのプレッシャーを感じていることも多い。

Dr.齊藤さん:ただでさえ疲れているのに、さらに疲れることをするのはイヤだっていうこともあるようです。そんなつもりはなくても、男性は女性からのプレッシャーを感じていることも多い。

副交感神経が優位な時じゃないと勃起できない、というのも聞いたことがあります。

米谷さん:副交感神経が優位な時じゃないと勃起できない、というのも聞いたことがあります。

そうでしょうね、リラックスしていないと。けっこう繊細ですから。

Dr.齊藤さん:そうでしょうね、リラックスしていないと。けっこう繊細ですから。

あまりにストレスが強かったら、射精そのものもむずかしくなる?

米谷さん:あまりにストレスが強かったら、射精そのものもむずかしくなる?

そんな気分にならない、ということになりますね。

Dr.齊藤さん:そんな気分にならない、ということになりますね。

お酒を飲まないとセックスできない、という人もいるといいますが、お酒を飲んでいたら、精子の質は悪くなりますか?

米谷さん:お酒を飲まないとセックスできない、という人もいるといいますが、お酒を飲んでいたら、精子の質は悪くなりますか?

いや、そんな1回や2回お酒飲んだからといって、影響はそこまでないですよ。アルコール中毒で常時ずっと酔っ払っているとなると影響するだろうけれど、そのときだけ頑張るために飲んだくらいだったら、いいと思います。

Dr.齊藤さん:いや、そんな1回や2回お酒飲んだからといって、影響はそこまでないですよ。アルコール中毒で常時ずっと酔っ払っているとなると影響するだろうけれど、そのときだけ頑張るために飲んだくらいだったら、いいと思います。

リラックスにつながればそれでいい?

米谷さん:リラックスにつながればそれでいい?

勃起補助のための多少のアルコールなら、リラックスする程度の飲酒なら、いいと思いますよ。

Dr.齊藤さん:勃起補助のための多少のアルコールなら、リラックスする程度の飲酒なら、いいと思いますよ。

そういう意味では女性もあんまりプレッシャーかけないようにしないとですね。

米谷さん:そういう意味では女性もあんまりプレッシャーかけないようにしないとですね。

そうですね。女性の言葉に男性は傷つくこともありますから。「なぜ立たないの?」とかいわれちゃうと、余計につらいでしょうね。

Dr.齊藤さん:そうですね。女性の言葉に男性は傷つくこともありますから。「なぜ立たないの?」とかいわれちゃうと、余計につらいでしょうね。

男性のこと、女性はもっと理解しなくちゃいけませんね。

米谷さん:男性のこと、女性はもっと理解しなくちゃいけませんね。

それはお互いにね。

Dr.齊藤さん:それはお互いにね。

男性も大変ですね。

米谷さん:男性も大変ですね。

ですから、若いうちの性欲旺盛なうちに子づくりは頑張ったほうがいいんです、男も年とるほどしなくなっちゃう。年齢が上がると、精子の質にも関係するけど、セックスの回数も劇的に減るわけですから。日本人は特にね。

Dr.齊藤さん:ですから、若いうちの性欲旺盛なうちに子づくりは頑張ったほうがいいんです、男も年とるほどしなくなっちゃう。年齢が上がると、精子の質にも関係するけど、セックスの回数も劇的に減るわけですから。日本人は特にね。

年齢は、女性の卵だけでなく、男性の精子にも影響する

女性の卵は、年齢+0.5才ということですが、男性も精子の質や数に年齢は影響しますか?

米谷さん:女性の卵は、年齢+0.5才ということですが、男性も精子の質や数に年齢は影響しますか?

女性ほど顕著でないけれど、影響します。精巣の中には、精子のもととなる幹細胞があって、胎児の間に20回くらいまで分裂するけど、生まれたころに一度止まります。そして思春期から分裂が再び始まって、幹細胞が増え始め、精子の幹細胞は分裂を繰り返していきます。だから精子は、年齢が高くなれば分裂回数の多い細胞となります。

Dr.齊藤さん:女性ほど顕著でないけれど、影響します。精巣の中には、精子のもととなる幹細胞があって、胎児の間に20回くらいまで分裂するけど、生まれたころに一度止まります。そして思春期から分裂が再び始まって、幹細胞が増え始め、精子の幹細胞は分裂を繰り返していきます。だから精子は、年齢が高くなれば分裂回数の多い細胞となります。

分裂回数が多いとどういう問題が?

米谷さん:分裂回数が多いとどういう問題が?

まれにエラーが起こるんですよ。エラーというのはDNAの設計図がちょっと変化するということ。たしかに卵の方が、年齢の影響は大きいけれど、精子だって年齢で劣化するんだよね。出てくる精子はたしかにできたてのフレッシュなものではあるけれど。

Dr.齊藤さん:まれにエラーが起こるんですよ。エラーというのはDNAの設計図がちょっと変化するということ。たしかに卵の方が、年齢の影響は大きいけれど、精子だって年齢で劣化するんだよね。出てくる精子はたしかにできたてのフレッシュなものではあるけれど。

そうなんですか。

米谷さん:そうなんですか。

大きく染色体異常が起こるほどではないので、妊娠もするし、赤ちゃんも生まれてくる。ただ、男性の年齢が高い場合、生まれてきて、ある程度大きくなったときに子どもに先天異常のリスクという形であらわれることが最近わかってきました。もちろん、すべてが高齢の父親に原因するものではないですよ。でも影響は多少ある、ということ。

Dr.齊藤さん:大きく染色体異常が起こるほどではないので、妊娠もするし、赤ちゃんも生まれてくる。ただ、男性の年齢が高い場合、生まれてきて、ある程度大きくなったときに子どもに先天異常のリスクという形であらわれることが最近わかってきました。もちろん、すべてが高齢の父親に原因するものではないですよ。でも影響は多少ある、ということ。

妊娠だけを考えると、圧倒的に女性の卵の方が年齢による影響が大きいけれど、そこに隠された精子の影響もある、ということです。

Dr.齊藤さん:妊娠だけを考えると、圧倒的に女性の卵の方が年齢による影響が大きいけれど、そこに隠された精子の影響もある、ということです。

そういうことも考えると、やっぱり妊娠適齢期って、女性だけでなく男性にもある、ということなんですね。

米谷さん:そういうことも考えると、やっぱり妊娠適齢期って、女性だけでなく男性にもある、ということなんですね。

覚えておいてほしいのは、将来もし赤ちゃんがなかなかできない不妊となった場合、その原因は男女どちらにも可能性があるということ。そしてセックスがうまくできなくても、妊娠する方法はある。でも、ふたりのこれからの人生ですから、お互いの体のことを理解し、受け止める思いやりは必要ですね。

Dr.齊藤さん:覚えておいてほしいのは、将来もし赤ちゃんがなかなかできない不妊となった場合、その原因は男女どちらにも可能性があるということ。そしてセックスがうまくできなくても、妊娠する方法はある。でも、ふたりのこれからの人生ですから、お互いの体のことを理解し、受け止める思いやりは必要ですね。

結婚準備中の今、体のことで男性ができることはありますか?

米谷さん:結婚準備中の今、体のことで男性ができることはありますか?

大事なのは妊娠がゴールではなく、妊娠した先は長い子育てが待っている。だから、男性も健康でいることは大事。それと、風疹抗体をもっているか、などの検査は、女性と一緒に受けてもいいですね。免疫のない女性が妊娠初期に風疹にかかると赤ちゃんが先天性風疹症候群という病気をもって生まれる可能性が高い。予防接種制度の変遷により、完了していない世代があるので。男性がかかって女性にうつしてしまったら大変です。

Dr.齊藤さん:大事なのは妊娠がゴールではなく、妊娠した先は長い子育てが待っている。だから、男性も健康でいることは大事。それと、風疹抗体をもっているか、などの検査は、女性と一緒に受けてもいいですね。免疫のない女性が妊娠初期に風疹にかかると赤ちゃんが先天性風疹症候群という病気をもって生まれる可能性が高い。予防接種制度の変遷により、完了していない世代があるので。男性がかかって女性にうつしてしまったら大変です。

未来の自分、未来の子どものためにできること、という考えを結婚準備中の今こそ、頭の隅にちょっと入れておくとよいですね。

米谷さん:未来の自分、未来の子どものためにできること、という考えを結婚準備中の今こそ、頭の隅にちょっと入れておくとよいですね。


PLOFILE
齊藤英和(さいとう・ひでかず)
元国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター 副センター長。現在梅が丘産婦人科ARTセンター長。

米谷明子(よねや・あきこ)
ベネッセコーポレーション『妊活たまごクラブ』編集長。『妊活たまごクラブ』誌面で齊藤先生に妊活特集の監修をいただく。
https://st.benesse.ne.jp/ninkatsu/


(撮影/古谷利幸 文/関川香織 企画編集/たまひよ、ウエディングパーク)
※本記事は、たまひよとウエディングパークの共同企画です。

本記事は、2019年11月20日公開時点の情報です。情報の利用並びにその情報に基づく判断は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮したうえで行っていただくようお願いいたします。

ウエディングパーク編集部
ウエディングパーク編集部

カップルで過ごす時間をより楽しくするための情報をいち早くお伝えしていきます♪

Webサイト・SNS
結婚準備ガイド
Wedding Park Magazineトップへ