【ファッションのプロによる連載企画】第六回 大人のタキシードの着こなし方

こんにちは。フォルツァスタイルの干場義雅です。前回は「リゾートウェディングに招かれたら」と題してリゾートでの大人のウェディングスタイルをご紹介しました。

リゾートウェディングの楽しみ方、参考になりましたでしょうか? 今回は男性のフォーマルスタイルとして格式の高いタキシードの装い方についてお話させていただきます。

タキシードはデニムと対極にあるフォーマルスタイルの代表的アイテムです。常に着用するものではありませんが、実は魅力ある大人になるために、この2つのアイテムが似合うことは必須なのです。カジュアルからフォーマルまで幅広く着こせる姿に、女性たちがグッとくるのは言うまでもありません。

映画『007』に登場するロジャー・ムーアやダニエル・クレイグ、ピアーズ・ブロスナンはそのお手本。諜報部員でありながら、色気、甘さ、華やかさを見事に表現しています。タキシードは本来、難易度の高いウエアですが、着こなせるようになると、より一層カッコいい大人の男性に仲間入りできるのです。

2015.03.30 更新
タキシード/オーダー、シャツ、バタフライタイ/ともにブリオーニ
出典:大人のためのウェディングスタイル 第6回 大人のタキシードの着こなし方 | FORZA STYLE|...

タキシード/オーダー、シャツ、バタフライタイ/ともにブリオーニ

■燕尾服から進化を遂げたタキシード

タキシードに合わせるのは少し襟先が跳ね上がっているウィングカラーといわれるフォーマル用のシャツ。これは蝶ネクタイ用の襟です。比翼仕立てで3mmほどの細いピンタックならさらにエレガントさが増して見えます。ジャケットの襟は燕尾服を原型としたピークドラペルカラー(剣襟)がシャープに見えるので個人的にはお勧め。白いチーフはシルクでクラッシュドにすると華やかに見えます。ポケットは両玉縁タイプがマストです。

カマーベルト/ブリオーニ
出典:大人のためのウェディングスタイル 第6回 大人のタキシードの着こなし方 | FORZA STYLE|...

カマーベルト/ブリオーニ

■タキシードには究極のマイナスの美学がある

側章、ボタン、蝶ネクタイ、カマーベルトが同じ光沢のある素材で作られているのがタキシードです。夜の光に部分的に光るように極めて抑えて作られています。そこには女性を引き立たせるための抑制の美意識が存在するのです。ボタンは蝶貝合わせくるみボタンがひとつ。華美ではなく控えめでシンプル、着る人の内面を映し出すものがタキシードなのです。

靴/グッチ
出典:大人のためのウェディングスタイル 第6回 大人のタキシードの着こなし方 | FORZA STYLE|...

靴/グッチ

■僅かな光を最大限に魅力的に見せるエナメル

夜のライトで光るように靴はエナメル。夜6時以降の式の場合しか着られないタキシードには夜の僅かな光を効果的に取り入れる光沢のある靴がベストです。光沢がある分、デザインは控えめのプレーントゥで。オペラ初日の際のタキシードであれば、オペラパンプスでアレンジします。

バタフライタイ、カマーハンド/ともにブリオーニ
出典:大人のためのウェディングスタイル 第6回 大人のタキシードの着こなし方 | FORZA STYLE|...

バタフライタイ、カマーハンド/ともにブリオーニ

■同ブランドのセレクトが統一感と上質さを生む

カマーバンドやバタフライタイは同じ素材に揃えるのが基本。そのため同ブランドで選ぶのがベストです。上級者であれば異なる素材のアレンジも可能ですが、基本は揃えることが上質さを生み出します。イギリス流のスクエアエンドのタイは結びの輪が四角く幅が狭いのが特徴です。

コート/ヴェルベストのオーダー
出典:大人のためのウェディングスタイル 第6回 大人のタキシードの着こなし方 | FORZA STYLE|...

コート/ヴェルベストのオーダー

■コートまで手を抜かないのが大人のフォーマル

タキシードの上に着用しているのは黒のチェスタフィールドーコート。丈がやや長めなので、ドレッシーな雰囲気を醸し出してくれます。そして、さらにワンランク上の上質さを狙うなら、カシミヤ素材のものがお勧めです。タキシードは6時以降のスタイルですが、その前の時間に装う燕尾服にも活用できます。 なるべく控えめに着こなして華美な装飾を隠す、という目的で作られているタキシードですが、実は着用するのにとても時間がかかるもの。それは、着ることによって自分の意識を高めていくという意味があるからです。 女性の着物と一緒ですね。着付けられている間に緊張感や気持ちが入るのと同じなのです。ダブルカフスも一人で留めるのは大変ですし、蝶ネクタイも左右対称に調節するのが難しい。もちろん誰でも最初からできるものではないので、練習を重ねることが大切です。 着慣れるには時間がかかりますが、伝統や歴史に基づいて作られているタキシードを正統的に着こなせるのが男性としての嗜みになるのです。ぜひ1着、ワードローブに加えてみてはいかがでしょうか。 Photo:Kazuya Gondo Text:Mariko Ikeda Cooperation:ROSA BLANCA OMOTESANDO (sponsored) 次回より、ウェディングスタイルのお勧めアイテムと最新コーディネートをご紹介する新シリーズが始まります。実際に購入できる商品を中心に展開する実用記事ですので、何を買おうか悩まれている方にはきっと役立つはず。ご期待ください!

※本コラムは「FORZA STYLE(フォルツァ スタイル)」との連動企画です。

■「FORZA STYLE(フォルツァ スタイル)」
ファッションディレクター・干場義雅氏責任編集による、知的でセクシーな”知色人”になるためのデジタルビデオマガジン!旬で役立つ、ミドルエイジ男性のためのファッション&ライフスタイル情報を配信します

出典: 大人のためのウェディングスタイル 第6回 大人のタキシードの着こなし方 | FORZA STYLE|...

本記事は、2015年03月30日公開時点の情報です。情報の利用並びにその情報に基づく判断は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮したうえで行っていただくようお願いいたします。

Specialゲストライター

干場義雅
干場義雅
クリエイティブディレクター

FORZA STYLE編集長
1973年東京都生まれ。男性ファッション誌『LEON』や『OCEANS』の立ち上げをはじめ、数々の雑誌編集に携わり、2010年に独立。「スタイルクリニック」を設立する。雑誌、新聞、テレビ、ラジオとメディアの枠を超えて活躍する他、イベントやブランドプロデュースも手がける。

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