「ご教示ください」と「ご教授ください」ビジネスや婚礼での正しい使い方は?

ビジネスで相手に何かを教えてもらいたい時や結婚式の新郎からの挨拶で「ご教示」という言葉を使いますよね。でも、似た言葉で「ご教授」や「ご享受」という言葉があり、どんな時に使えばいいのかわからないと思います。実は「ご教示」と「ご教授」にはそれぞれ意味が違うのです。この意味の使い分けをしないと大変失礼な使い方となってしまいます。今回は、この「ご教示」の正しい意味や使い方を解説したいと思います。ビジネスや結婚式での挨拶には欠かせない言葉なので、しっかりと使い分けるようにしましょう!

2016.09.27 更新
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仕事のメールで「ご教授ください」なんて言っていませんか?

仕事を進めるうえで、相手の知っている情報を共有しないといけないという場面に遭遇した場合、あなたはどうしていますか?もちろん、相手の方に「教えてください」ってお願いしていますよね。でも、その際、まさか「ご教授ください」なんてメールに書いていませんよね? ビジネスでのやりとりで、業務に必要な情報を知らせてもらいたい、そんな時は「ご教示ください」を使うのが正しいです。のちほどまた説明しますが、「ご教授ください」では話が大きくなりすぎてしまい、ビジネス上のやりとりには適しません。けれど、「ご教示ください」ではなく「ご教授ください」と使う人、結構多いんです。

「ご教示」の正しい意味や使い方を知っておこう!

まず、「ご教示」の正しい意味や読み方、そして使い方を知ることから始めましょう。「ご教示」とは「ごきょうじ」と読み、「教えること、伝達すること」という意味があります。「ご教示ください」「ご教示いただきたく存じます」「ご教示を賜りたく存じます」といったように使います。ただ、この表現は堅苦しい印象をもたれがちです。女性の場合は「教えていただけますでしょうか」といったような、柔らかい言葉を使ってもいいでしょう。

では「ご教授」の意味や使い方は?「ご教示」との違いは?

一方の「ご教授」は「ごきょうじゅ」と読み、「学問・技芸を伝え教えること」という意味があります。「ご教授」は「特定の技芸に関することを教え授ける」という、とても重い意味をもつ言葉です。 例えば、英語のteach(教える)とtell(言う)が、ちょうど「ご教授」と「ご教示」の関係に当てはまります。ただ単に、相手が知っている情報を伝えてほしい場合は、tellを使いますよね?そして、何かを学んでいる時、学問的な問いに関してはteachを使います。これと同じことなのです。

☆ご教授の主な使い方の例文
「先日いただきました資料の件ですが、当方としても様々なデータと照合し、今回このような結果となりました。前回の結果も含めデータを送らせていただきますので、またお気づきになった点などをご教授くださいますようお願いいたします。」

「ご教授ください」と「ご教示ください」どっちが正しいの?

今お話したように、「ご教授ください」とは、学問や専門的な技術を身につけるために教えてもらいたい場合に使います。そして「ご教示ください」は、自分が知らない方法や情報を、相手に教え示してもらいたい場合に使います。 ビジネスメールをするうえで聞きたいのは、「在庫を確認したい」「打ち合わせのために相手のスケジュールが知りたい」「このサービスのメリットが知りたい」といったようなことであると思われるので、正しいのは「ご教示ください」になります。 もしも「ご教授ください」レベルのことを聞きたいのであれば、メールで簡単にそんな重要なお願いをすることそのものが失礼にあたるともいえますね。

☆ご教示とご教授を使った例文の正誤
「○」:ご連絡いただきましてありがとうございます。日程に関してご都合のよい日時を”ご教示”いただけますでしょうか?
「×」:ご連絡いただきましてありがとうございます。日程に関してご都合のよい日時を”ご教授”いただけますでしょうか

「教えて」の意味の他の言葉「ご享受」ってなに?

これはさらにレベルの高い話になりますが、なかには間違って「ご享受ください」を使ってしまっている人もいます。「ご享受」とは、「用意されて与えられたものを自分のものとして受け入れ、楽しむこと」という意味があります。具体的には「携帯電話(のインフラ)の恩恵を享受する」「教会の教えを享受する」といった具合に使います。これはさらにビジネスメールには相応しくない表現であることがお分かりいただけるかと思います。

ビジネスにおける「ご教示ください」の使い方

それではビジネスにおける「ご教示」の使い方としてどんなものがあるのでしょうか? 先ほども説明しましたが、「ご教授」という言葉を使うのはビジネスの世界において単に情報を教えてほしい場合は「ご教授ください」ではなく「ご教示ください」を使うのがマナーとなります。主に上司や先輩と話すよりもメールでお願いする際に使うケースが多いので、失礼のないようにしましょう。 具体的な使い方の例を見てみると下記の通りになります。

☆ビジネスにおけるご教示の主な使い方の例文
・社内システムの使い方をご教示ください。
・入退出時の鍵の管理方法についてご教示願います。
・先日はマナーについてご教示くださりありがとうございました。

結婚式における「ご教示」の使い方

ビジネスだけではなく結婚式の挨拶においても「ご教示」という言葉は忘れていけません。上司の方へ結婚挨拶のはがきや結婚式における挨拶において「ご教示」という言葉を正しく使い、安心して結婚式を挙げられるようにしましょう。

☆結婚時における「ご教示」の使い方
1.上司への結婚報告はがきの文例
「このたび私たちは○月○日に結婚いたしました。ここに謹んでご報告申し上げます。 なにぶん未熟な二人ではございますが、明るく楽しい家庭づくりに邁進してまいりたいと思っております。今後とも変わらぬご教示と励ましを頂けますよう心からお願い申し上げます。」
2.今後の指導・支援のお願い(結婚式における新郎の挨拶編)
「なにぶん未熟な私たちでございます。皆様方にはご指導を仰がなければならないことが多々あるかと存じます。どうぞ、これまで以上に公私にわたるご助言、ご教示を賜わりますよう、宜しくお願い申し上げます。」

<結婚式における挨拶の文例に関するリンク>

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英語で「ご教示」「ご教授」はなんと言う?

これから海外で仕事をしたり、外国人の方と仕事をする機会が増えてきます。その中でいろいろ教えてもらわなければなりませんが、「ご教示ください」と「ご教授ください」という言葉は英語で何と言うでしょうか?一般的に次のような表現となります。

「ご教示ください」:Please instruct it
「ご教授ください」:Please give me a lecture.

 日本語と同様、「ご教授」だと、「lecture」のように学問や技能などを教え授けることを意味しているのでビジネスの場で適しません。外国人の方に何か教えて欲しいことがあれば、「ご教示=instruct」を使うようにしましょう。 また、これからご紹介する表現の文例も紹介したものと違う英語で表現することもありますので、ご注意ください。

【ご教示】英語表記の具体例

・あなたがそれを私にご教示いただけると助かります。
 I'd appreciate it if you could teach me that.
・ご教示ありがとうございます。助かりました。
  Thank you for your instruction. It really helped.
・それについての私の認識に誤りがありましたらご教示ください。
 Please instruct me if there is an error in my understanding of it.

【ご教授】英語表記の具体例

・ご懇切なるご教授を感謝致します
 I must thank you for your kind instruction.
・教授のありがた味がわかってきました
 I begin to appreciate your teachings.
・差し支えなければ、今日の講義の内容をご教授いただけると幸いです
 It would be great if you could tell me about today's lecture.

まとめ

こうしたビジネス用語は、誰かが使っていたからとか、どこかで目にしたからという理由でなんとなく真似をして使用してしまう場合が多々あります。けれど、言葉1つで相手に伝わる意味は大きく変わり、時には大変失礼なことを伝えてしまっていることもあるのです。仕事でのやりとりだからこそ、言葉の意味をしっかりと理解し、正しく使い分けられるようになりましょうね。ビジネスメールでは「ご教示ください」が一般的、この基本だけはきっちり押さえておきましょう。

本記事は、2016年09月27日公開時点の情報です。情報の利用並びにその情報に基づく判断は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮したうえで行っていただくようお願いいたします。

さくらいろ
さくらいろ

主人と犬2匹で楽しく毎日を過ごしています。主人とは7年付き合い結婚しました。ハワイでの挙式は今でもいい思い出です。

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