【ブーケ&ブートニアの基礎知識】ウエディングブーケの種類から付け方のコツまで

【ブーケ&ブートニアの基礎知識】ウエディングブーケの種類から付け方のコツまで

ウエディングドレスとあわせて、結婚式には欠かせないアイテムのひとつである「ウエディングブーケ」。ブーケは、形や使うお花の種類によって、雰囲気ががらりと変わるので、しっかりと選びたいですよね。今回は、そんなウエディングブーケの基本を徹底解説!フリーウエディングプランナーの岡村奈奈さんに聞いてみました♪

2018.09.06 更新

こんにちは。ウエディングプランナーの岡村奈奈です。今回は、結婚式で新婦がもつウエディングブーケと新郎の胸につけるブートニアについて、解説します。

Contents

ウエディングブーケについて

日本におけるウエディングブーケは、ドレスと同様、より繊細で細かくデザインされていて、依頼に対して忠実なものが提供されます。依頼時は、「可愛く」「インパクトのある」「体型カバーに」などブーケを単品としてだけでなく全体をイメージして考えるのがいまどき。

また、ブーケの制作には、「花の種類」「ブーケ全体のデザイン」「ドレスとの相性」という3つ要素は、どれも同じくらい大切で、ブーケを依頼した花嫁像を表現するために重要なパートとなります。ドレスや会場など、自分の条件に合うものがイメージできない場合には、画像検索などで「いいな」と感じるブーケの共通点を見つけてみましょう。その共通点も、きっと大きなヒントになると思います。

雰囲気もさまざま!ブーケデザインの種類

まずは、ブーケの基礎知識について。
形やデザインでカテゴリー分けされる「ブーケの種類」の名称と特徴を見ていきましょう。

ラウンドブーケ

丸い形が愛らしい印象の、もっともベーシックなデザインのブーケ。ドーム型で持ちやすく、ボリュームのあるドレスに合わせやすいデザインです。とくに、小さめの花や同じ種類の花でまとめるカワイイ系のものが人気。

キャスケードブーケ

名前のとおり「滝」のように上から下に向かう流れのあるデザインのブーケ。象徴的な正統派ブーケとされ、トレーンの長い大人っぽいドレスによく合います。逆三角形のシルエットが体型をスレンダーに見せてくれる効果も。

ティアドロップブーケ

涙の雫を逆向きにしたデザインのブーケで、キャスケードよりもふっくらとして可愛らしい印象。ゴージャスな「オーバルブーケ」とも似ていますが、ティアドロップブーケのほうがオーバルブーケよりもまとまりがあり、どんなドレスにも合わせやすいのが特徴です。

クラッチブーケ

シンプルに束ねて茎を見せるタイプのブーケ。摘んできたままであるかのようなナチュラル感と、花やグリーンの表情を多面的に見せられるのが人気。小花で短くまとめるとカジュアルで若々しく、長めで不揃いに束ねると大人っぽくモード風に。

ボールブーケ

全面が花で覆われたボール状のアレンジをリボンなどで吊り下げて持つデザイン。花の種類やリボンの組み合わせでオリジナリティが出しやすく、和装ブーケやアートフラワーもバリエーションを考えやすいのがポイント。

リースブーケ

冠や月桂冠がルーツと言われる輪状の土台に、花やグリーンをあしらったブーケ。一周ぐるっと花を飾る場合もあれば、一部にだけ花をつけるデザインもあります。ナチュラル系、モード系などインパクトのあるドレスとの相性が○。

アームブーケ

カラーなど茎のしっかりとした種類の花をきれいに見せるスタイルのブーケで、クラッチブーケと同じ「タイドブーケ」と呼ばれる種類のひとつ。エレガントでインパクトのあるデザインなので、シンプルで張りのある生地のドレスとの相性が○。

ブーケに使うお花のタイプは?生花や造花、それぞれの特徴とメリット&デメリット

もともと結婚式では、特別な理由がない限り「生花」を使うのが一般的でした。

結婚式と花は、歴史的に結びつきが強く、プロポーズや魔除けのおまじないなど、さまざまな慣わしのルーツに生花が関連しています。さらに、フレッシュな生花は富や美しさの象徴という意味も。
しかし、技術面の進化もめざましい昨今、生花以外の選択肢も大変充実していますので、活用しないのはもったいないこと。
生花だけにこだわらず、結婚式のスタイルやふたりのライフスタイルに合ったものを考え、選んでください。

生花

言うまでもなく、ウエディングに使うお花といえば生花です。写真映り、香り、迫力など生花に超えるものはありません。一方で「事前に同じものを確認できない」「長く残すことができない」などのデメリットがあります。

造花(アートフラワー)

生花と同じかそれ以上の価格の造花(アートフラワー)は、本物と見紛うほどのクオリティです。海外ウエディングや前撮りに同じものを持って行きたい場合や、生花より軽量を求める場合におすすめ。

プリザーブドフラワー

生花を加工したものなので、半分は生花ですが、保存が効き、ロイヤルブルーなど生花にはない色のバリエーションがあることも魅力です。親や友人が事前に作ってプレゼントしてくれる場合に用いられることが多いですが、染料がドレスにつくことがあるので注意。

ドライフラワー

近年の流行りのナチュラルでラスティックなイメージと、コストが抑えられるのも人気の理由。もろく壊れやすいことや「生花であるべき」という一般的なイメージに「あえて」と表現する点にも注意が必要。

値段はいくらかかる?ブーケの予算相場

ブーケの値段は花の種類、量などによって、同じものでも季節によって変動しますが、一般的なもので2〜6万円程度が相場
クラッチブーケは本数が比較的少なく、ボールブーケは多く使われるので、価格の差は一番大きくなります。

ブーケの花は、実際に仕入れた中から、とくに状態のいいものを選んで使うため、店頭で売っている花束などと比べて高額になります。色や雰囲気など大まかなイメージを伝えておまかせにすると、季節の手頃なもので見繕ってくれるので低予算におさめやすいはず。

「持込み」の場合も価格の考え方は基本的には同じですが、画像でイメージをより詳細に共有できる体制が整っていたり、好みが合うところなら打合せ自体も楽しいものになったりするでしょう。

また、ウエディング後も記念日のギフトなど長いお付き合いができるショップを選ぶのもメリットのひとつとなるかもしれません。

ブーケは手作りできる?手作りブーケのメリット

最近は、ブーケを自分で作りたいという花嫁も増加中。手作りする場合は、時間をかけて準備ができる造花(アートフラワー)やドライフラワーがおすすめです。
また、前撮りや海外挙式など、何日にも渡ってブーケを持つ場合には予算の面でもお得になります。

ただし、長時間持っていても型崩れしない束ね方はコツがいるので、プロの指導が必須。前撮りで活用する場合は問題ありませんが、挙式や披露宴当日に持つ場合は、プロに作ってもらうのが安心です。

▼手作りブーケの記事はこちら
【編集部がやってみた!】リースブーケのつくり方とデザインアイデア実例 #花嫁DIY
【編集部がやってみた!】「ボールブーケ」のつくり方とデザインアイデア実例 #花嫁DIY

新郎用のブーケ!ブートニアとは

ブートニアとは、新郎の左胸に飾る花のコサージュのこと。

その昔、プロポーズの際に男性が野の花を摘んで花束を作り、結婚の申し込みの言葉とともに花束を差し出し、女性はその中から一輪の花を、承諾のしるしとして男性の胸に挿したというお話があります。
この「ブーケ・ブートニア」の由来とされているお話に基づき、花婿のブートニアと花嫁のブーケは同じ種類の花で作るものとされています。

ブートニアの予算相場とオーダー時の注意点

ブートニアは、特別な要望がなければ、ブーケの10分の1ほどの価格が相場。ブーケの中からメインとなる花とそれに添える花やグリーンの数本で構成されます。

タキシードの襟にピンで刺して固定しますが、しっかり留めていないとお辞儀をするたびに動いてしまうので、襟に添うよう裏側は平らにし、ブーケより茎を短くとるので変色したりすることがないようしっかり水揚げしてもらいましょう。

新郎新婦の父親もブートニアが必要?

花束贈呈のシーンで、お母さんには花束を、お父さんの胸にブートニアをつけるのが一般的。テーマ・ウエディングなど特別な場合に限り、初めからつけていることもあります。
もしブートニアをつける場合には、お揃いの花でお母さん向けのコサージュやヘッドピースをつけるなど、夫婦で一対、両家で1セットにするとよいでしょう。

結婚式のシーズン別!季節感のあるおすすめの花

街に花が咲き誇る季節には、ゲストの装いも明るくカラフルになります。そのため、淡いニュアンスカラーよりも、ピンクやイエローなどややはっきりした色みを取り入れたミックスカラーのブーケがおすすめ。若々しいグリーンを上手に取り入れると春ならではのフレッシュな印象を演出できます。

夏の結婚式におすすめ

白はもちろんブルー系、パープル系などを取り入れたクールな色みのものはとくにおすすめです。華奢なグリーンを長めに垂らしたり、グリーンの濃淡をベースに不揃いに束ねたりしたものも涼やかで素敵です。

秋の結婚式におすすめ

赤・オレンジ・マゼンダなど暖色がもっとも映える季節。花らしい花や実ものも選び放題です。花の種類だけでなく、全体のシルエットや、会場装飾の中でも映えるよう反対色を選ぶなどの工夫を。

冬の結婚式におすすめ

ゲストの装いがダークな色合いに偏りがちなので、ブーケはパステルカラーなどの明るいコーディネートでパッと華やかな雰囲気に。スモーキーなグリーンや羽根や綿など温かみのあるアイテムを加えるのも素敵。

まとめ

ブーケ・ブートニアは、花に詳しい人だけがこだわるものではなく、誰にとっても大事なパートのひとつです。
衣裳よりも手軽に選べるので、色やデザインで冒険したり、密かにメッセージを込めたりすることもできますし、小顔や体型カバーのアイテムとしても活用できるなど、万能な存在でもあります。
画像からじっくり研究してみるもよし、直感で選ぶもよし、まずは興味を持ってプロと話す場を持ってみるのもいいかもしれません。触れてみるときっと、ユリやバラは花の持つ迫力や香りに正統派と呼ばれる理由に納得できるでしょうし、季節のアイコンとなるようなヒマワリやチューリップから記念日やふたりの思い出と重なるものを見つけるなど、知るほどアイディアが湧いてくるものではないでしょうか。これを機に、好きな花を見つけてみるのも楽しそうですね。

ぜひお花や形にこだわったブーケ・ブートニアを作ってみてはいかがでしょうか?

本記事は、2018年09月06日公開時点の情報です。情報の利用並びにその情報に基づく判断は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮したうえで行っていただくようお願いいたします。

Specialゲストライター

岡村奈奈
岡村奈奈
フリーウエディングプランナー

音大卒業後、専門式場などの婚礼施設勤務を経て2005年にフリーに転向。執筆や監修、メディア出演多数。オーソドックスなスタイルから、アウトドアや音楽ホール等でのユニークなウエディング、伝統的な和婚までオールマイティに対応するトッププランナーのひとり。渋谷と横浜で毎月相談会を開催している。

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