島の大いなる自然に祝福されて・・・八重山ウェディング

石垣島のミンサー織りの柄をぜひ結婚指輪に刻印したいと、島内でとても繊細で島の自然に寄り添ったデザインを意識されているTilla Earthさんで指輪を作ることにしました。そのために二人で石垣島へ訪問。織物の糸を縦と横で表現した「うむい」という名前のデザインに決めました。指輪の内側にはそっとミンサー織りの柄「いつの世までも末長く…」の意味を持つ刻印を入れていただいております。二人とも同じ素材、同じデザインがいいなと思ったのと、普段手作業の多い主人の手にもなじみやすい滑らかな肌触りでとても気に入っております。

背が高いこともあり、たくさんの自然の中で主張しすぎないマーメイドのドレスを探していました。トレンド意識しすぎず、普遍的な美しさを持つミカド素材のドレスをアトリエ・アンというお店で作って頂きました。このお店は希望通り、トレンドを追いすぎない、正統派のしっかりとした雰囲気を持ったドレスが勢ぞろいでここなら挙式時に親族のだれもが納得するドレスを作ってくれるのではないかと感じた事が決め手となりました。それからは他のドレスショップへ行くこともなく、こちらのお店でいろんなドレスを試着しました。その中でも「マライア」というドレスは、イタリアから仕入れた美しいレースのトレーンと、なめらかな真珠の様な美しさのミカド素材が素晴らしく、自分がこのドレスに選ばれたのではないかと思うくらい惹かれました。そういう直感もあり、迷うことなくマライアに決めました。レースのトレーンを長くし、後にリボンを追加してもらいました。好きなドレスをベースに、思いのままのドレスの形を叶えてくれるところもありがたいと思いました。

ドレスを本格的に作るより先に靴のことを考えなかった私はとても苦労しました。
ドレスは夫との身長差の事を考えて、5センチヒールのものが合うように作って頂きました。
いざ、次は靴探しということになると意外と5センチヒールの靴のバリエーションって少ないんだなと思い知らされたのです。
色んな百貨店を訪ね歩き、5センチヒールのものを探しましたがなかなか理想的なものに出会えず、途方に暮れていたらinstagramである靴に目を奪われました。
それが今回選んだBella Belleシューズでした。
調べてみるとドレスに対して許容範囲のヒールがある！しかもデザインもとても可憐。
繊細で、生地も柔らかく底にクッションも入っているのでとても歩きやすい。
価格も丁度良く、これ以外には考えられませんでした。
ヒール部分は細目なので砂浜での撮影用にサンドバイサヤのビジュー付きのサンダルを購入しました。こちらは5センチを超えますが撮影の際とても歩きやすくとても助かりました。
その後の新婚旅行でも使えたので大満足です。

新婦のウエディングドレスのお店で一緒に作ろうかという話だったのですが、夫の好きな雰囲気のスーツが別のお店にあった為、同時期に別々のお店へ行きました。グリーンの映える会場には白のスーツがいいのではないかと思ったのですが、夫の希望によりネイビーのスーツに決めました。白のジャケットを羽織った時もとてもかっこよかったのですが、今となっては初夏によく合うつやのあるネイビーにしてよかったと思います。やはり新郎を引き立たせるものが一番です。

たくさんの自然の中での挙式でしたのでなるべく派手になりすぎない色と緑がたくさんの組み合わせでアームブーケに仕上げて頂きました。お花屋さんは石垣島の中でもとてもお洒落でセンスの良い福木家さんです。ぼんやりとしたイメージを持った私の話をとてもよく聞いてくださり、たくさんイメージに近い写真を見ていただいた時も私が形にしたいイメージを細やかに感じ取ってくださり、「そうです！そうなんです！」と思わず口に出したほど。本当に助かりました。福木家さんにお任せして本当に良かったと今でも感じております。

ゴージャスというよりはシンプルに仕上げたかったので、ヘッドアクセはお花屋さんにお任せすることになりました。いろいろな花嫁さんの写真を見ていると、耳飾りを上手につけている人は首元や肩回りがすっきりとしていて、とても洗練されていると感じました。その為、用意していた白蝶真珠のネックレスをやめて、挙式時に夫に贈ってもらった南洋パールのピアス、食事会の際はランジャナカーンの大きなピアスをつけることになりました。インドの衣装や小物が大好きなので、インド人の作家さんが手掛けたランジャナカーンの耳飾りはどこか親しみやすいデザインで、取り入れやすかったです。ロケーションフォト、挙式、食事会までずっとつけていたのは母から譲り受けた白蝶真珠の指輪でした。ブレスレットはStella Bridalのさんのオーガニックパールがたくさんついたものを選びました。緑と花がいっぱいの竹富島では真珠の飾りが良く似合うと感じました。沖縄の光はとても硬いので、キラキラ光るヘッドアクセやイヤリングよりは、白を基調とした真珠のようなものが写真うつりが良く見えるんじゃないかなと思います。

装花に関しては、ブーケに合わせて全て胡蝶蘭ときめてお花屋さんにお任せしました。シンプルに飾ってもらい、ゲストとスムーズにお話しできるようになりました。

プリザーブドの苔を敷き詰めたシンプルなリングピローを手作りしたい！と思い、お花屋さんで苔を入手し、マライカでガラスケースを手に入れて敷き詰めてみました。そのままでもよかったのですか、別の用があってお花屋さんを訪れた時、そのお店がドライフラワーが得意なお店でたくさん素晴らしいドライフラワーが並んでいたのを見てつい購入…。せっかくなのでそっと寄り添ってもらいました。

両家の親族のみの挙式なのであまり気を張りすぎず、そして沖縄の離島という遠方での催しだったため、帰りの荷物にならないように星のやさんのこだわりの朝食を全員にプレゼントすることになりました。この場にいなかった親戚にはこの後の八重山での新婚旅行でみつけた島の宝物を後日郵送で贈りました。八重山のいいところを伝えられたでしょうか。少しでも伝わるといいなと思っています。

星のやさんでの挙式での楽しみはやっぱりお料理！島の素材がたくさん使われています。八重山にはおいしいものがたくさんありますが、それらがお料理になって一つの物語のように私たちに供されます。新郎新婦もとてもおいしく頂きました。

ケーキは星のやさんが提案してくださったものが良かったので、こちらからケーキトッパーをいくつか用意して綺麗に飾り付けしていただきました。家族挙式にふさわしい、あたたかみのあるテイストに仕上がっています。

BGMは星のやさんがとても良い環境音楽を用意してくれているので用意しなくても完璧だったのですが...。どうしても思い入れのある曲だけ用意しました。

披露宴入場のシーン→Setembro / Ivan Lins
ケーキ入刀のシーン→You'll never know / Alice Faye

Setembroと言う曲の題名は、ポルトガル語で9月。ブラジルではちょうど9月が結婚式シーズンになるくらい良い気候なのだそうです。ブラジルの、ウェディングソングとしてIvan Linsに歌われています。Quincy JonesによるSetembroも重厚感があり、メロウでとても美しいのですが今回あえてIvan Linsを選んだのはこちらの方が晴れた天気に合うだろうな、そういう日になればいいなという願いも込めてです。
ケーキ入刀のYou'll Never Knowは、The Shape Of Waterという映画で繰り返し使われていた曲で歌っている内容もとても日本語では歌えないほど甘くてとろけそうです。

ネイルは華美すぎず、凝りすぎないものにしたいなと思いシルバーと白色の二色だけにしました。これでも、もう少し抑えればよかったなあと思ったほどです。でもネイリストさんがとてもセンス良く施してくれたので大満足です。もう一度ブライダルネイルをするなら、パールの入った白色一色かフレンチネイルでもいいなあと感じています。

ヘアメイクに関しては、当日になるまでしっかりと決めていませんでした。決めていたことといえば、ゆるくフワフワにはせずにしっかりとまとめたいということでした。十年経って見返しても、やっぱりこれがいいなあと思えるような髪型をしたいとヘアメイクさんに伝えたら、とても綺麗に仕上げて下さいました。食事会では、自分で用意したシルクリボンを使って少しモードに結ってもらいました。これは数日前に私が決めたヘアスタイルで、リクエストしたら快く引き受けてくださいました。

挙式当日になるまで用意など何もしていなかったのですが、私たちが無理なく自然な表情でいられるように、カメラマンのみなさんや担当のプランナーさんがとても優しく緊張をほぐしてくれました。撮影の間は朝といえども、とても暑く日差しもありましたが、挙式前の緊張もふっとぶほど楽しい時間でした。当日のロケーションフォトを見返すたびにまた笑顔になれます。普段から来慣れた竹富島ですが、この日だけはほんの少し、違ったように見えたのでした。

席札は、自分たちで用意しようと思ったのですが星のやさんが用意してくれた席札がとても沖縄らしくて素朴でかわいかったのでそのまま用意していただきました。星のやさんの気張りすぎない優しいぬくもりのある雰囲気がそのまま反映されている気がして、とても気に入っています。今後、星のや竹富島で挙式をされる方にはご自分たちで用意ことができなかったとしても満足していただけるのではないかと思います。

島の大いなる自然に祝福されて・・・八重山ウェディング

この挙式でよかったところは、なんといっても竹富の自然と共に式を挙げられたことです。太陽の光、風、樹々、草花たち、鳥や虫、そしてその場にいた人々みんなに祝福をしてもらえたと感じ、これ以上にない幸福に包まれました。前日、そして挙式の次の日は雨が降っていたのですが当日になるとこれ以上にないくらい空が晴れ渡り、とてもやわらかい光が差しました。島の神聖な力を感じ、感謝の気持ちが心の底から沸き上がりました。
竹富島での結婚式を選んでよかったと思いました。