ありがとうを伝えたい

シドニーで前撮りをしました。ドレスや小物等は日本で購入し、カメラマンさんからアーティフィシャルブーケのみレンタルして撮影に臨みました。
シドニーらしいオペラハウスを背景にしたショットや、英国風の街並みが残る街でのショットが気に入っています。

デザインを見て一目惚れした、CHANELのカメリア。
椿を模した特徴的なデザインです。5枚の花びらがイメージされたウェーブが、着用したときにとってもおしゃれで気に入っています。

おそらく一番時間を費やしたムービー作成。
プロフィールムービーとエンドロールムービーを、撮影から編集まで自分で作りました。

●プロフィールムービー
夫婦でお互いの人生を語りあうムービーを作成しました。
スマホ三台で三方向から撮り、昔の写真を見せながらいろいろな思い出を話す形式。
動画編集がとにかく大変で、3時間くらいの素材をどう短くするかに苦労しました。入れたいエピソードはたくさんあったのですが、見易さを考え、なんとか10分に収めることができました。
また、字幕やテロップ、効果音にこだわりだすとどれだけ時間があっても足りず…！結婚式の2週間前まで、半泣きになりながら編集していました。

●エンドロールムービー
私たちの結婚式のコンセプト「ありがとうを言葉以外で伝える」は、ここから始まったといっても過言ではないです。
よくある即日編集のムービーも素敵で感動するのですが、どこか「自分たちのためのムービー」感が拭えず、代案を考えていました。
そこで思いついたのが、結婚式までに全ゲストに会いに行き、花束を渡すこと。それを映像に撮ってつなぎ合わせたものをエンドロールにすること。
プロフィールムービーと違って編集はそこまで大変ではなかったのですが、北海道から福岡まで、ゲストに会いに行くのにはどうしても時間がかかりました。
ですが、本当に会いたい友人しか招いていなかったので、話す時間が十分に取りにくい結婚式以外で会えたのがとても良かったです。
ゲストからも「私たちのためにたくさん時間をかけて作ってくれたのがわかる、ありがとう」と言っていただき、感謝の想いが伝わったのかなと思います。

挙式終わりから披露宴の間が1時間空いていたので、ゲストの暇な時間がないよう、20ページ分のプロフィールブックを作成しました。
結婚式に対しての想いを夫婦対談で記したページや、近所のおすすめスポットをまとめたページ、事前にゲストから夫婦の他己紹介をしてもらったページなどを作りました。
私の大学の友人は、日本文学を専攻していた活字中毒が集まっていたこともあり、大好評。
「重版されますか？」「一言一句なめるように読んだ！」「サインください！」等々、とても楽しんでくれたようで、作ったかいがありました。

タカミブライダルの式場だったので、ドレスはタカミのみ。特にブランドにこだわりがあったり、着たいドレスがあったりしたわけではなかったのですが、ドレスを選んでいる期間はできるだけSNSでドレスを見ないようにしていました。
タカミのドレスは流行を抑えつつ、上品で廃りのないデザインが多い印象です。どれを選んでも、何年経っても、どの年代の方からも褒めていただけるように感じました。

ウェディングドレスの試着は計2回。
1回目の時は、あまりにも幸せ太りしすぎていて全てしっくりこなかったので、少し体重を落として5か月後にチャレンジ。
その中でも着た瞬間ビビッときた「コンチェルティーノ」というドレスに決めました。胸元はハートカットですが、レースが重ねられており、ビスチェにも見えます。後ろには、おしりを綺麗にみせる「バッスル」がついており、どこから見ても美しいシルエットのドレスです。
何よりも、上半身の細やかな刺繍と対照的に、サテンの輝きがとても上品でシンプルなつくりのドレス部分が気に入りました。

黒をイメージしていたのですが、あまりしっくりくるものが無く…。カラフル！派手！なものより、落ち着いた印象で、なおかつウェディングドレスと差別化できるものにしたかったので、シックな色合いのドレスを試着していきました。
そんな中、担当の方からおすすめいただいたのがこの「ブラウン・ノナ」というドレスでした。
赤みのある濃いブラウンという、上品で落ち着いたカラーですが、ドレス部分のチュールから透けた花飾りのグラデーションとワンショルダーの花飾りがとても華やかで女性らしく、品があり気に入っています。とにかく360度可愛くて、流行りのバレーコアの雰囲気もありつつ、会場の落ち着いた雰囲気にもピッタリ。カラードレスの試着1回目で出会い、念のためもう一度行きましたが、思いは変わらずブラウンノナに決めました。

結婚式で和装をしない予定だったので、前撮りで必ず白無垢を着たいと思っていました。学生のころから憧れていた下鴨神社で撮影。下鴨神社の回廊と似つかわしい赤ふきの白無垢がお気に入りです。私物の赤い重ね襟と赤い帯揚げも使っていただき、とてもお気に入りのスタイリングになりました。
当日はあいにくの大雨でしたが、撮影スタッフさんたちがとても気遣ってくださって、楽しく撮影することができました。

●全体的な装花
花の種類ではなく色で指定をしました。
・オレンジを中心に、赤やピーチオレンジ等をメインカラーに。
・水色の花を挿し色に。
・水色のリボンを幅違いで二種類装花に結ぶ。
・洋ナシやぶどう等のイミテーションフルーツ。
グリーンとしてアマランサスを絶対に入れたかったのですが、季節的に難しいとのことでアーティフィシャルフラワーで用意していただきました。

●ゲストテーブル
・ミラーと水中花はNG。
・円卓は花瓶を使わずアレンジメントで。
・流しテーブルは小さな小瓶で高低差が出るよう配置。
・午後式だったので、各テーブルにキャンドルを配置。

●高砂装花
・全体的にアシンメトリーになるように。
・高砂バックは、新婦側に布を垂らして新郎側に装花。
・足元は片方はアレンジメント、片方は花瓶に生ける。
・ゲストと写真が撮りにくくならない配置で。

たくさんお願いをしましたが、全て叶えて素敵な装花にしていただきました。

プチギフトは、夫婦で愛飲しているドリップコーヒーに、ロータスビスケットを添えてお渡ししました。ちょうどトレーシングペーパーが余っていたので袋からDIYしました。
サンクスタグは洋服タグを模して作り、好きな曲の一説を載せています。

あまりゲストに負担をかけたくなかったので、余興は頼みませんでした。その代わりの演出として格付けチェックをしました。テーブル代表者だけが参加するのではなく、全員が参加できる形式にしたかったので、全員に配膳し、相談して回答を決めるテーブル対抗式にしました。
第一問はお肉料理の付け合わせのコロッケ。シェフ特性のコロッケと、冷凍コロッケです。すぐ分かってしまわれないように、シェフ特性のコロッケはあえて衣を荒くし、冷凍コロッケはレンジではなく前者と同じように油で揚げていただいたようです。
第二問はお茶。高級茶葉から入れたお茶と、ペットボトルのお茶です。こちらの方が正答率が低く、最近のペットボトル飲料の質の良さを感じました。笑
A・Bの札はDIYです。

ウェルカムスペースにはあまり写真等を置きたくなかったので、ウェルカムボードは漆喰のシンプルながらニュアンスのあるものにしました。
新郎がよくお酒を飲むので、酒瓶にアーティフィシャルフラワーを生けました。
「花束」をキーワードにしていたので、原田マハ『FORTUNE BOOK』の「花束は最高の花束だ」という一節のページを開けて置いておき、コメントを書いてもらいました。

挙式2週間前から、バタバタとDIYを進めました。
時間がない中で焦りながら作った割には、こだわったものが作れたのではないかと思います。

●シーティングチャート
コッパースタンドはメルカリで購入。席次はアクリルの板を購入し、表に白マーカーで名前、裏にアクリル絵の具で彩色しました。金具を通すための穴をあけるのが一番大変でした。

●ドリンクメニューと席札
Canvaで作り、ドリンクメニューは家のプリンターで、席次はキンコーズで印刷しました。
コースメニューはプロフィールブックの裏面に記載したのでドリンクメニューのみです。

●テーブルナンバー
質感のある紙にリボンを通して作りました。
垂れたリボンが可愛いので、立てるより吊るしたいなと思い見つけたのがバナナスタンド。
ダイソーでバナナスタンドを購入し、ラッカーで黒にしました。

●写ルンですカバー、受付サイン
写ルンですカバーは卓のイメージに沿った紙を選びました。
受付サインはCanvaとキンコーズで。

ありがとうを伝えたい

夢のようだった一日でした。チャペルの中に入った瞬間、みんなが本当に来てくれていることに感動して、胸がいっぱいになりました。私たちのために、大好きな人たちがこの時間、この場所に集まって、祝ってくれてる現実が奇跡だなと感じました。
　式の最中も最高に楽しかったけど、終わってからもらったたくさんのメッセージを読み返す時間がとても幸せです。

「余韻がすごい、一生忘れない、こんな素敵な式の一部にしてくれてありがとう、今までで一番楽しくて美味しくて最高だった、自分たちのためにとてつもない時間をかけてくれたのがわかる、センスがすごい！世界を感じられた、唯一無二の式だった、第二回してください！笑」

一生大切にしたい言葉をたくさんもらいました。友達たちが、私の作った動画やプロフィールブックを見て笑ったり突っ込んだり、演出でわいわい盛り上がってくれたり…みんながアップしてくれた写真や動画が素敵すぎて、延々と眺めてしまいます。

　何より、結婚式って本当にたくさんの人の協力とチームワークのおかげで成り立っているんだなということを、改めて実感しましたた！。
今まで打ち合わせを重ねてきたプランナーさんやカメラマンさん、ビデオグラファーさん、フローリストさん、ヘアメイクさん、ドレス担当者さん、司会者さん。だけでなく、当日サポートしてくださったスタッフの方々全員が、私が作りたかった空間と時間を作るために、意思疎通をして、準備をして、協力して、支えてくれているんだなということを身に染みて感じた一日でした。

謝辞でスタッフさんへのお礼を伝えた時、皆さんが並んで深々と礼をしてくださったこと。披露宴が結んだ後、披露宴責任者の方が改まって、私たちの今後の幸せを願う言葉を伝えてくださったこと。絶対に忘れない瞬間だと思います。
入籍届を出しただけでは感じられない幸せと、人とのつながりと、感謝を感じて、改めて結婚式をこの式場であげて本当に良かったです。